場所は、限りなくスペインに近いフランス、ペイ・バスク(Pays-Basque)という地域で、
ピレネー山脈のふもとのエスペレットという村。
村中、こんな感じでかわいらしい。
こんな時じゃなければ楽しめたのに・・・

葬儀の前夜、民間経営の葬祭場に家族とごく親しい人だけ集合。
会場(小さな部屋)にはお布施というか寄付金というのか、「15ユーロ」と書いてありました。
香典とは違うもののようで、おそらく教会に献上されるのでしょう。
この部屋のとなりの小部屋、ヨーロッパ風棺の中で故人が眠っています。
一人ひとり入室して、別れを告げます。
線香を焚いたりお祈りの言葉を唱えたりとかいうのは特にないようです。
20時ごろ、神父様の代理という3人のおばあさんがやってきて、
お祈りをして、聖水を遺体に降りかけて、「また明日」と去っていきました。
これがお通夜みたいなものなんでしょうか。
翌日の葬儀当日、同じ部屋に再び集合。
葬儀屋さんが棺の四隅からネジを締め、最後に蝋で刻印して封印終了。
これから教会に向かいます。
教会入り口の前には、バスクの民族衣装を身に着けた旗持ちのおじさんが二人。
教会の鐘が鳴り、葬儀屋さんが4人がかりで棺を持ち上げ、故人は足から教会に入ります。
頭から入れるものと思っていたので、ちょっとびっくり。
それに続いて教会に入ると、パイプオルガンの伴奏で賛美歌(?)を歌っている人たちが。
この人たちは、信仰心の篤い地元の合唱団だそうです。
厳粛な雰囲気が漂っています。
そして、葬儀開始。
全部で40分くらいでした。
神父様の祈りの言葉、ときどき合間に合唱団の歌声が入ります。
神父様の言葉も歌も、バスク語だったりフランス語だったり。
これはこの地方特別なんだそうです。
故人の親友が短いスピーチをして、また神父様のお言葉があり、最後に聖体拝領。
はじめ、神父様が喪主の口に聖餅を入れます。
その後は、食べたい人(というか、クリスチャンの人?)は前に進み出て両手で聖餅を受け取ります。
無宗教の人、カトリックじゃない人はとくに食べなくていいらしい。
ほっとしたものの、ちょっと味見して見たかった気も・・
この不心得者(汗)
その後、教会脇の墓地へ。
普段は通路になっている部分にぽっかり穴が開いていて、
そこから4人がかりで棺を中に入れます。
入れた後、神父様が聖水を降りかけて、葬儀終了。
ピレネーのきれいな景色がのぞめるところで、馬や牛や羊もいるし、
故人もきっと喜んでいることでしょう。
